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2007年9月11日 (火)

9-11

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今日、アメリカは6年目の9ー11です。
あいにくの雨でしたが、グラウンドゼロには大勢の遺族や関係者が集まり、多くの人が祈りを捧げました。
毎年、この日がくるとあの時のことをまるで昨日のことのように鮮明に思い出します。あの悪い夢を見ているような、地に足がつかないような不思議な感覚。泣けてくるような秋の青い空は、あの日を経験した世界中の多くの人にとって、こんな風にいつまでたっても忘れられない、説明のできない気持ちを思い出させるに違いありません。
今日と明日は、6年前に私が書いた文章を抜粋して転載します。
アホ丸出しとは思いますが、自分が書いたものなのに、読むたびにその時の気持ちと状況が鮮明によみがえり、涙がドドドと出てきます。
**********************
いつもどおり地下の駐車場を通り抜ける。
        まだ昼間だというのに、駐車場のシャッターが閉まっている。チョビと二人で出ていくと、係のおじさんが無言でシャッターを開けてくれた。
        道路に立つ。
        本当にいいお天気。
        ぬけるような青空と真っ白な雲。程良い気温は少し歩くと軽く汗ばむほど。
2番街に立ち、南に体を向けると真っ直ぐにダウンタウンが見えるはず。横断歩道を渡る途中でダウンタウン側を見てみた。明るい日差しの下、平日の昼間だと いうのに、ビジネススーツに身を包んだ男女が大勢、本当に信じられないぐらい大勢の人々が、無言でダウンタウンから歩いてくる。
        誰も何も話さない。緊張でもなく恐怖でもない。ただただ、茫然としているのだ。
        みな放心状態で、ひたすらアップタウンに向かって歩き続けている。
        歩行者から目を転じると、はるかかなたダウンタウンのビルとビルのすき間から大量の黒煙が上がり、ダウンタウン一帯を覆っているのが見えた。
        まるで昔見た、映画のワンシーンのよう。バットマンだったかな。ゴッサムシティーという名前の薄暗い街が、まるで呪われたかのように暗い雲と霧に覆われている、映画のオープニングシーンを思い出した。
        あの黒煙の下で何が起こっているんだろう。
テレビの中で、まるでおもちゃのように崩れていったワールドトレードセンター。中に一体何人の人々がいたのか。通行人はどうなったんだろう。ショッピング アーケードで働いていた人達は? 駅で働いていた人達は? 通勤途上の人やコーヒーとドーナツを買いに出ていた人は?
        何も考えられない。
        私も半ば茫然自失の状態で、五番街を目指して歩いた。
        徒歩5分。五番街の様子もいつもとは全然違う。
        車がほとんど走っていない。歩行者が車道を歩いている。42丁目と5番街辺りはミッドタウン最大のオフィス街だが、テロのせいで会社が早々にクローズしてしまった様子で、大勢のビジネスマン達がアタッシュケースを手に歩いている。
        ニューヨーカーは歩く速度が早いことで有名なのに、みな一様にゆっくりと重い足取り。ふと見ると五番街の真ん中に立ち、ダウンタウンを見つめる男性がいた。思わず私もその横に立ち、ダウンタウンを見下ろす。
        なんということもなく、その辺りにいた人々が皆、一斉に無言でダウンタウンを見つめていた。
        五番街から見えていたツインタワーは姿を消し、一番遠くに見える、道路が途切れた地面のあたりからずっと上まで、黒煙が全てを覆い尽くしている。
        あれは本当のことだったんだ……。こんなにのどかなまるで春みたいな一日に、悪夢としか思えない出来事が現実に起こったんだ。
        けれど自分は今、何もしないで、このミッドタウンを犬と歩き、ただ遠くから立って見ているだけなのだ。
        帰ろうか……。
        心なしか不安そうなチョビを促し、自宅の方向に足を向ける。
        歩いているうちになんだかノドが痛くなってきた。
        変だな。
        何度も咳払いをしてみるけれど、どんどんノドがいがらっぽくなっていく。
        そういえば、さっきからなんだか異臭が漂っている。
        はっと気が付いた。
        ダウンタウンの瓦礫から粉塵が飛んできているんだ。
        唇を噛み、ふいにこみあげてきた涙をこらえながら歩き続けた。          

翌朝目が覚めた時、前日に起こったことが思い出せなくてしばらくぼんやりとしてしまった。
なんだったっけ・・・。
何か大変なことが起こったような気がするんだけど。
ここまで考えて、はっと思い出しベッドの上から窓の外を慌てて見た。
今日はまるで入道雲のような真っ白な煙が、ダウンタウン一帯を覆っている。
本当のことだったんだ。夢じゃなかったんだ。
悪夢のような一日があっという間に頭の中によみがえってきた。
『オレん家なんか、エンパイアステートビルの真ん前だぜ。なんかあったらもう終わりだよ。あれが倒れてきたら、逃げる暇なんかないよ。周辺十数ブロック全滅だぜ』
電話でフンフンが言っていたのを思い出す。
本当に怖かった。
私の家は国連本部の近所だから、もしかしたらここでもテロが起こるかもしれない。真剣にそう思った。
私のアパートは、このあたり一帯でいちばん背が高く風変わりな形のビルディングだし、国連の職員が大勢すんでいる。そんな訳で、もしかしたら格好のテロの 標的になるかもしれない、とも思ったのだ。とにかく何もかもがあまりに目茶苦茶で、何を信じてどこへ行けばいいのか、全くわからない。
今日はどうなるんだろう。
不安な気持ちは消えない。

そうだ。昨夜すごく怖くなって、ブルックリンにいるリースに電話をかけたんだった。
        「怖いよリース。私達のビルに飛行機が突っ込んできたらどうしよう」
        「そんなことはあり得ないと思うよレイコ」
        なんでわかるんだよそんなこと。
        「僕たちのビルは別に政府関連ビルでもなんでもないし、有名人が住んでるわけでもないんだから」
        だってメジャーリーグの吉井投手が昔住んでたぞ。
        「・・・・誰それ?」リースはイチローしか知らないらしい。
        「ああ! この間GQに載ってたグッドルッキングジャパニーズベースボールプレーヤーか!」自分の思いつきにうれしそうなリース。でもそれは新庄だよ・・・。
        「でもさ、国連が近所じゃん。国連を狙った飛行機が間違ってここに突っ込んできたらどうしよう」あくまでも自分のことしか考えていないことがここで露呈しているリンコ。
        「レイコ・・・。君の部屋は南向きで国連の反対側じゃないか。しかも7階でしょ。」
        ・・・・7階で悪かったな。
        「国連を狙った飛行機が間違って突っ込んできたとしても、そしたら北向きの54階の僕の部屋に一番に突っ込んでくるよ。君ん家は大丈夫だよあははあははあはは」
イヤミな奴だな。もういいいや。ブルックリンでノンキに構えてるリースと話しててもしょうがない。
けれど、ミッドタウンは異様に静かで寂しいよ。と言ったら「ううーん」と、さすがの能天気男リースも唸っていた。

そう。テロ当日の夜の警戒の物々しさは本当にすごかった。
まさしく戒厳令の夜。
国連周辺数ブロックは完全封鎖。警察関係以外の車はいっさいシャットアウト。通行人も、身分証明書がなければ通してもらえない。
車も人も普段の日の何分の一。いや、何十分の一しかいない。
静かな静かな、そして怖くて悲しい夜だった。

朝起きて、まず会社に電話をしてみる。
私が働いている出版社は、全米ではかなり有名な出版社だがその危機管理体制のずさんさはさすがアメリカ、いかにもニューヨークといった感じだ。
緊急時用連絡電話番号があり、従業員がその番号に電話すると緊急時の対策などを案内しているはずなのだが、まずもってテロ当日にその番号に電話してみたと ころ、『ピンポンパンポーン。本日のコンデナスト情報〜。今日もいいお天気です。通常業務に励みましょう〜』と案内されて、思わず受話器をぶん投げたく なった。
その後もう一度電話してみたら、ようやく『本日の緊急情報。タイムズスクエアは攻撃されません。みなさんちゃんと出社して働いてください』と、妙に太低い 声のおじさんが押しつけがましい声音でなんの根拠もない言葉をしつこく繰り返していた。リンコの頭の中では、なぜかガードマンの制服を着た太ったスパニッ シュのおじさんが大汗をかきながらこのアナウンスを何度も何度もマイクに向かって唱え続けている姿がぐるぐる回り続けていた。

        今日はどんなおじさんかな。
        『ピンポンパンポン。本日のコンデナスト緊急情報。業務は通常通り行われます。みなさん張り切って働きましょう。ビルディングは通常通りオープンします。』
また昨日のおじさんじゃん・・・。
だいたいこんなアナウンスを信じて出社して、なんかあったら一体誰が責任をとってくれるって言うんだ? まさかスパニッシュのおじさんが!?
だって窓の外はまるでゴーストタウン。誰も歩いていないのに。ああ、しかも封鎖されたトンネルの入口と出口では迷・服を着たナショナルガードが監視している。
怖い。どうなってしまうんだろう。
試しにフンフンに電話をしてみる。
        「会社? いかねえよそんなもん。」
        そりゃあんたはそうかもしれんけど・・・。
        「誰もいかねえよ今日なんか。ばっかじゃねえの、ったく。」
散々悪態をつかれ、なんの役にも立たないまま電話を切る。ううーん。どうしよう。
今日もものすごく青い空。信じられないくらいのCrispy Blue Sky。
あ、そうだ。同僚のエディーに電話をしてみよう。彼は確かダウンタウンのイーストサイドに住んでいたはず。
「ハロー」エディーはアメリカ生まれのチャイニーズ。彼みたいな人をABCというらしい。つまり、American Born Chineseの略。「なら僕はABGだねっ」と同僚でゲイのマイケルがうれしそうに言ったので、「なんで?」と問い返したら、「American Born Germanだ〜」とはしゃいでいた。あの平和な日々は一体どこへ。
        「あっ。エディー!? 大丈夫だった!?」
        「うん。大丈夫。レイコは?」
        「大丈夫だよ・・・。大変なことになっちゃったね・・・。昨日会社に行った?」
        「昨日みんな一度は出社してきたんだよ。でも30分ぐらいで全員帰った。地下鉄もバスも止まってたから、みんな徒歩で自宅まで帰らなくちゃいけなかったんだ」
        そうだったのか・・・。
        「で、今日行く?」
        「レイコは?」
        「どうしようか・・・。大丈夫なのかな・・・。」」
        「今日もいい天気だからなあ。散歩がてら行くかな・・・」
        「そうなの? エディーが行くんだったら私も行こうかなあ」
私は会社まで徒歩約20分。エディーは徒歩40分程か。
結局お互いが行くなら、ということで出社することに決定して受話器を置く。でもきっと他の誰も来てやしないんだろうな。
チョビを軽く散歩させてから出勤。素晴らしいお天気だなあ。ダウンタウンを見なければ、1ブロックごとに立っている警察官を見なければ、何事もない平和な9月の一日なのに


091106_2040
↑昨年の9ー11に撮った写真です。Beams of  Towers とかColumns of lightsとか呼ばれてます。予算が足りなくて二日間だけの記念碑です。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私が最初にNYに行ったのは2002年で、周りのフェンスに沢山のお花や写真が飾られていた事を今でもよく覚えています。
以前、グラウンドゼロの前で、NY在住の友人から、当時の話を聞きましたが、なんともいえない気持ちになりました。
もう二度と起きてはいけない事件だと思います。

投稿: EVA | 2007年9月13日 (木) 00時28分

9-11…この日は世界中の人が“恐怖”を共有した日。私はオハイオ州に住んでいるのですが、テロの起こる2ヶ月前、当時11歳の息子とNYに週末旅行にでかけたばかりの頃でした。World Trade Centerは側をバスで通り過ぎただけで、実際に中に入ったわけではないのですが、その規模の大きさに驚いたのを覚えています。息子も自分の目で見たあのTwinTowerに突っ込んだ飛行機、燃え上がるビルとその崩壊。画面に映し出された、あまりにも残酷な様にTVの前で茫然自失になっていました。そしてその直後に、テロリストを乗せた飛行機がクリーブラント方面に向かっている、というのをローカルのニュースで聞いた時は生きた心地がしませんでした。後からわかったことなのですが、この飛行機はあのPAで墜落したFLIGHT 93だったんです。どうやらクリーブランド上空で旋回してワシントンに向かう途中でPAに墜落したんですね。
……亡くなった方たちと遺族の方々の慟哭を思うと、6年たった今でも涙がとめどなく流れます。そしてこれは絶対に二度と繰り返してはいけない惨事です。

投稿: Lotus | 2007年9月12日 (水) 23時13分

去年の私のブログからの抜粋です。

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あの日、私は日本で会社からそう遠くない居酒屋で部下のJ君と夕食を取っていました。 ボチボチかなと思っていた頃、店の大将が「アメリカが大変だよ」と声を掛けてきました。 座敷の奥に置いてあるテレビでは見覚えのあるツインタワーが煙を吹き上げ、2機目が突入する映像が。 事故なんて事はあり得ません。 呆然としばらく画面を見ている内にハッと同僚が大勢米国に出張していることに気が付きました。 慌てて事務所に飛んで帰り、明け方まで安否確認の電話を掛けまくりました。 その時点でアメリカへ国際電話が殺到し、KDDの回線は殆どパンク状態だったのですが、二十回に一回くらいの割合で繋がりました。

西海岸のある出張者は、朝食をとりながら「何の映画だろう?」と、テレビを見て呆然としているアメリカ人達を横目に、まじめにそう思っていたそうです。

電話を掛け捲りながら、インターネットのニュースで、ツインタワーが崩壊した、という情報が入ってきたのですが、何が起こったのか全く理解できませんでした。 飛行機が突っ込んで、火事にはなったとしても、あのビルが本当に消滅してしまうなんて誰も考えていなかったと思います。

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その後初めてNYへ行き、リバティー島からダウンタウンを眺めた時、あの日のアメリカの喪失感を本当に実感しました。 あれからもう6年経ったんですね。

投稿: ロンドン野郎 | 2007年9月12日 (水) 22時41分

もう六年経つんですね・・・・。
皆さんもおっしゃってる通り、自分も映画だと思ってました。ペンタゴンにも突っ込んで、さらに数機ハイジャックの可能性が・・・・となった時、もう理解する事が出来なくなりました。実際グランド・ゼロに行きましたがぼう然。少し落ち着いてあたり見渡すと、悲しみで泣いている人もいれば、ピースしながら記念写真撮っている人もいれば、商売してる人もいて、スゴい複雑でした。実際に行かないとなんとも言えないあの空間は伝わらないですね。

投稿: 2号 | 2007年9月12日 (水) 11時05分

日本での夜中、まだ何が起こったのかも把握できないままに始まったニュース速報。突っ込む飛行機、燃え上がるビル・・・でもまさか倒壊するとは・・・TVで見ただけでもすごい衝撃でした。実際に体験された皆様のお気持ちははかり知れません。
再び不幸が起きないように祈るばかりです。。。

投稿: miyu | 2007年9月12日 (水) 09時53分

リンコさん、私もその日をよく覚えています。その一月前にちょうどアメリカに行っていて、たくさんの方とお目にかかっていたところだったので、次々に、出会った方のお顔がうかびました。それから、毎日のように、養護学校に通っておられるお子さんをお持ちのアメリカのお母さん方とメールをしたのを思い出します。

リンコさんはニューヨークにまさにいらっしゃったのですね。
どんなに心が揺れ、怖かったり、つらかったり、悲しい思いをされたことでしょう。
リンコさん、書いてくださってありがとうございました。

投稿: Kakko | 2007年9月12日 (水) 08時32分

あれから6年・・・
だけど、昨日のことのように覚えてます。

うまくいえませんが
何か?の映画のプロモーションのワンシーンかな?
っとテレビを見て錯覚におちいり
すごくすごく不思議な気持ちになりました。

たぶん自分の中で事件を認めたくなかったのかも
しれないです。

遠く離れた日本にいても衝撃的な事件なので
さぞNYの人々は、すごくショックが大きかったことと
思います。

この出来事を忘れてはならない!!ことだけど
できる事なら(無理だけど)なかったことに
してほしい事件のひとつです。


投稿: DAISUKE | 2007年9月12日 (水) 05時57分

6年前、ふとTVに目を向けるとビルに飛行機が突っ込んでる映像が。
「あれ、今日はなんの映画をやっていたんだっけ。」
と思わず新聞を見てしまいました。
遠く離れた私たちでさえ強い衝撃と恐怖を感じました。
アメリカ、ましてやNY市民の方々の気持ちは、簡単にわかるとは口にできないです。
この写真、知らずに見たらまるでUFOが下りてくるとこみたい・・・


投稿: yayo | 2007年9月12日 (水) 00時35分

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