« インドな病院<6> | トップページ | インドな病院<8> »

2009年2月 1日 (日)

インドな病院<7>

小瓶を激しく振り回していたチョッキ医者の手の中から、注射液の入った小瓶がツルッッッッッッッッッッッッッッ…。

ガンゴロゲンゴロゴロゴロゴロゲンゴンガン!

…あ。

床をコロコロコロ…コロ…
と転がる小瓶を見つめ、しばし沈黙のチョッキと私。

「だ、大丈夫大丈夫。割れてないから。ね。ほら」

慌てて拾い上げ、見せてくれるチョッキ。
いや。まあ割れてはないけどさ…。
そんな床に落ちたもん、注射されるのなんとなく気が進まないていうか…。

「ほら。ね。ほらほら。大丈夫」
拾った小瓶を私の目の前に差し出し、ぐるぐるぐると回して割れていない事を見せてくれました。
さらにアルコール綿を取り出し、シャカシャカシャカシャカッと瓶の周りを拭って奇麗にしています。
結構必死です。

「さ。奇麗。これで大丈夫」
と言いながら、さっきまで何度振り回してもなんとなく納得がいかん、という表情で見ていた小瓶の中身をロクに確かめもせず、ブスーッと注射針を突き刺し、チュウウウウウウッッと吸い上げていきます。
本当に大丈夫なのか?
ちゃんと混ざってるのか?
私の体の中で分離とかせんだろうな?

「じゃ次はこっちの腕ね」
さっきと反対側の袖を、またグイグイグイイイイイイイイイとまくりあげ、また腕の血が止まりそうに。
あいたたたたたっ。

「注射はまだだよ」

わかってるよ。
吉本新喜劇じゃないんだから、何回も同じギャグ繰り返さないでよ(ギャグなのか?)。

チョッキが注射器を構える。

あなたのお名前なんですかー?
また丸顔が叫ぶ。

ワッハッ八ハハッハッハッハッハハ!!
バカ受けする古本屋。

ブッスー。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいっっっっっっっっっっ!!!

ワッハッッハハッハッッハッハッハッハッハッハハッハハッハ!!!
さらに受けまくるインド医者トリオ。

あー痛かったよ。マジで痛かったよ。アンタが東海岸で一番巧い注射屋だったら、わたしゃ東海岸では二度と注射はしたくない、ちゅうぐらい痛かったよ。
うーんうーん。
それになんだか両腕が重いよう。
痛いよう。
重いよう。
ううううううううう。

ワッハッハッハッハッッハッハッハハッハッハハ!!!
腕をブランとさせて「ハー」とため息をつく私を見て、さらに爆笑するインドトリオ。
アンタたちは楽しいかもしれんけど、わたしゃ全然楽しくないよ。痛いだけだよ。

いや。なんですね。
私、インド人のお友達って、学生時代に同級生に一人いたんですけどね、インド人男性。
彼、大金持ちのおぼっちゃまで、すごくハンサムでスイートで紳士だったし、英語もアクセントのないとても奇麗な英語を話ていたんですよ。
でも、なんか近寄りがたい感じがして、あまり親しくお話をする機会がなかったんです。
それ以降、インド人のお友達ができる機会もなくて、インド人の人たちがどういう感じの人たちか、ってあまりよく知らなかったんですが、こんなに陽気でユーモラスで楽しい人たちだったのねー。でも注射はヘタかも?って初めて知りました。

大笑いされたし注射は痛かったし同じ質問を百万回されたけど、それでも彼らがとっても良い人たちで親切にしてくれようとあれこれ気遣ってくれたのが伝わって、とても嬉しかったです。

ただ。


ですね。



痛い注射が終わり、「じゃあ書類を用意しますから、ここで待っててね」と通された部屋がまずレントゲン室だったのが理解不能。
またそこで20年ぐらい待たされ、暖かさと静かさが相まって、眠くてイスから落ちそうになったころ、ようやく別室に案内されました。
そこは、先刻とは別人茶色ドクターの部屋でした。
年配の茶色ドクターは、私のカルテらしきものを机の上で開き、威厳のある態度で私のほうにクルと振り向きました。

「では、今日はグリーンカードの健康診断で来たんですね」







もう。
はい。
いえ。
違うんですけどね。
まあ。
予防注射を健康診断って呼んでもらっても別にいいですけど、私は。
一応説明しますか?
もう一回?
そしたらこれで最後にしてくれる?

「いえ。今日は予防注射に来たんです…」

「えっっっ???健康診断はしたくないと!?」


ハー…。

「グリーンカードを取るには健康診断が必要なんですよ。健康診断を受けないのに、今日は何のためにここに来たんですか??」


ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー………………………………。

ため息しか出ませんです…はい…。

<今日で終わるかと思ったのにい。待て!次号!>

人気ブログランキングへ
海外ブログランキングへ

|

« インドな病院<6> | トップページ | インドな病院<8> »

ブルックリン」カテゴリの記事

コメント

なんだか大変なことになっちゃってますが。。。グリーンカードの為の注射って、指定病院じゃなくてもいいんですよ〜。

私が受けたのはもう何年も前ですが、指定病院に行く前に、ヘルスセターみたいな所で安く打って、その証明をもって指定病院に行き、そこでは健康診断だけで済みましたよ。

まあ、今更そんなことを言っても遅いんですが・・・。

投稿: misa@SF | 2009年2月 2日 (月) 15時52分

すみません。おじゃまします。

社会実験「お札の旅」
http://jp.youtube.com/watch?v=aEVzdtEnf6Q

投稿: ko | 2009年2月 2日 (月) 09時28分

なんで予防注射って、注射しかないんだろう? だって、普通の薬だったら、飲み薬もあるし、張り薬もあれば、吸入薬もありますよね。 痛くない予防薬(ワクチン)の接種方法って他にもありそうなものですが、あまり聞きませんよね。

すみません、リンコさんのブログを読みながら、フト変な事を疑問に思ってしまいました。 かなり外れてますよね。

でも、新インフルエンザのパンデミックが心配されるこの時代。 痛くないワクチンの接種方法が見つかれば、すごい画期的な発明だと思うのですが・・・

そりゃそれとして、

連載もここまでくりゃ、待ちます!次号!

投稿: ロンドン野郎 | 2009年2月 2日 (月) 08時52分

リンコさんの辛抱強さに脱帽です。

仕事から帰ってきたら真っ先に続きをチェックするのが日課になりつつあります。

投稿: kurara | 2009年2月 2日 (月) 06時47分

ひっぱりまんにゃわぁ~(笑)

投稿: や!です。 | 2009年2月 2日 (月) 04時59分

筋肉注射ってホント痛いですよね・゜゜・(>_<;)・゜゜・。
わたしも昔足の手術する前に腕に筋肉注射されて
それが痛くて半泣きでした。
ベソかきながら、手術室行く前に電話させて。と
看護士さんに泣きつきました。
日本じゃ患者さんはお客様扱いのとこが多いから、こんな対応ってあんまり考えられないですけど、ことごとく常識レベルが違うんですかね・・・・

投稿: yayo | 2009年2月 2日 (月) 03時30分

「インドな病院」で1冊本書けそうですね。

コント見ているみたいですね。
で、1から説明するも結局健康診断受けることになって血圧やら尿検査やらすべてやるハメになったのでは・・・
その日の内に家に帰れたのでしょうか。

それより子供は?あのズボボボ・・・の。

投稿: みさ | 2009年2月 2日 (月) 02時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« インドな病院<6> | トップページ | インドな病院<8> »